熊野三山_2日目

6月15日
朝は6時半くらいに目が覚めた
セットしていた目覚ましが鳴る5分くらい前にいつも目が覚めるのだ
人間の体とは不思議なものである
前日にフロントで朝食券をもらっていたので朝はホテルで食べることにした
食堂は1階のフロントすぐ横の部屋であった
ビュッフェ形式だった
キャベツの千切り、魚、ハム、白米、みそ汁を頂くことにした
おいしい
特別趣向が凝らされている料理でもないのにすごく美味しく感じた
疲れているのだろうか?

朝食1

部屋にもどったら観光ルートの確認である
熊野本宮、速玉、那智は確実に行こうと思っていた
上の順番に巡るのが正規な参拝順序らしい
三山をすべて1日で巡る観光ツアーバス紀伊勝浦駅から出ていた
しかし私は自分のペースで観光したかったのでこれを利用しないこととした
その場合、1日ですべて巡るのはギリギリいけるか際どいことが分かっていた
私は本宮、那智を15日に巡り、速玉は間に合わなかった場合16日に巡ることとした
速玉はホテルの場所から徒歩で行ける範囲内なので帰る前に行くことが可能であった

まずは本宮である
8時半くらいのバスに乗って1時間かけて本宮大社前まで移動した
昨日に見た大きな黒い鳥居が見える
「あそこへ向かうのか!」と思い何も考えず足を進めた
あたり一面田んぼの場所に大きな鳥居がそびえたつ
よく見ると鳥居の上のほうに八咫烏の印があった
足が3本あるから八咫烏であろう

あそこが本宮大社!?



鳥居の近くには「祝 世界遺産登録20周年」と横断幕が掲げてあった
一礼して鳥居をくぐる
石碑に「熊野本宮大社 旧社地大斎原」と書かれている
「ん?」と思った 「旧社地?」
とりあえず進むこととした
高野山へ行った時もそうだがここにも小さな石を積んだものを見つけた
あれも信仰の対象なのだろうか
写真撮影している人が何人かいたので私も写真撮影してしまったが
後で知ったが、ここは撮影禁止の場所だったらしい
残念だが写真のデータは削除した
それにしても建物が何もない
それもそのはずである ここは「旧社地」なのだから
以前、熊野本宮大社はここにあったらしいのだが、水害で流されてしまったそうだ
「では今は本宮大社は存在しないのか?」
私はだいぶ頭が混乱したが、とりあえず来た道を戻ることにした
google mapを確認して面白い施設がないか調べてみると「熊野本宮大社」があるではないか!
「どういうことだ!?」
私はその場所まで行ってみると「本宮大社」が存在していた!

今度こそ本宮大社



どうやら私はあの大きな鳥居に騙されてあそこに本体があると勘違いしていたようだ
しかし初めてくる人は絶対あの鳥居のほうに本体があると思うんじゃなかろうかと思う!!
さて新しい場所に建てられた本宮大社には石段を登っていかなければならない
つまり高い場所に建てられているのである
私はダーウィンの進化論感じた
神社は高いところにある傾向があるが
これは低い土地で水害にあった神社が自然淘汰された結果である
進化論は生物だけでなくこういった建造物にも当てはまるのかと思った
石段をある程度登ると手水舎があるのだが、その横に興味深い看板を見つけた
「修験者の皆様へ」
私は修験道というと仏教(密教)のイメージがあったのだがこういった看板が神社にあるというのが面白く感じた
この様相は拝殿の横にある看板を見てなおのこと深まった
祭られている神様の名称の横に「本地仏~」と仏様の名前が書かれている看板を見つけた
これは神仏習合の影響を強く受けているもので「本字垂迹説」と呼ばれる
神様が実は仏様の仮の姿であるという考え方である
似たような考えに「神本仏迹説」というものがあるが
本地仏~」から察するに「本字垂迹説」であろう
いずれにせよここは神仏習合の影響が強く残っている神社であると思った
さらに興味深く感じたのが天照大神本地仏が十一面観音であったところである
よく天照大神大日如来を同一視する考えを目にするので意外に思った

さて参拝が終わったら社務所御朱印である
ちょうど御朱印帳を使い切ったところなので新しい御朱印帳も買うことにした
記念すべき1ページ目が熊野本宮大社
なかなか良い
御朱印帳も八咫烏の絵があり熊野でもらったことが一目でわかるものである
次はお守りである
お守りを買うのは私の中では絶対条件ではないのだが、非常に非常に惹かれるお守りを見つけてしまった!
「本宮特大導守」・・・5,000円っ!!
なんだこれは!?
A3の紙くらいのサイズがある!!
もうこれは買おうかどうか迷った
迷った結果ここへはそうそう来ないのだから記念にいい思い出を買おうという結論に達した!
かくして私はこの枕のような巨大お守りを買うことにした
社務所の巫女さんに買うことを告げると「本当に買うのか!?」というような珍獣でもみるような目で見られてしまった

巨大お守り 5,000円なり

さて次は那智大社だが新宮駅まで戻らなければならない
戻りのバスがやってくるまで1時間ほどあるので食事をすることにした
何件かお食事処があったが「しもじ」というお店に入ることにした
おいしそうなメニューがいろいろあったが、できることならその地域にちなんだものが食べたい
「熊野牛 牛丼 1,100円」を食べることにした
牛丼には玉ねぎ、長ネギ、シラタキが入っていた
美味しい
漬物も美味しい
この店に入って正解だった

牛丼おいしかった




まだ時間があったのでバス停近くの「和歌山県世界遺産センター」を見学することにした
入ると杉の木の香りがする 良い香りだ
修験道に関する展示が多いように感じた
観光のお土産を展示しているコーナーに面白いものを見つけた
八咫烏の達磨である
これは姪っ子と甥っ子に良い土産になると思った
達磨も私の部屋に飾られて祭られるよりも
小さな童に転がされたほうがうれしいであろう
転がされすぎて八咫烏が白烏になってしまうかもしれないが・・・

八咫烏だるま


職員の方にどこで売っているか聞いてみるとバス停近くのお土産屋で売っているそうだ
行ってみて値段を見ると3,000円くらいする
2個買うと約6,000円である!
もうこれは買おうかどうか迷った(2回目)
迷った結果ここへはそうそう来ないのだから記念にいい思い出を買おうという結論に達した!(2回目)

さてさて達磨を買ったらバスがやってくるくらいの時間になった
バス停で待っていると電柱にカラスがいるのを見た
3本足ではなかったがちゃんとカラスがいるのだなと思った
ここまで幸運なことに雨は降っていなかったのだが
天気予報通りに雨が降り始めた
バスがやってきた

ここからはバスで新宮駅まで戻ったあと
電車で那智駅まで移動
その後バスで那智大社前までいくルートである
乗り継ぎが何回かあったが運良く待ち時間はそれほどなくスムーズに那智大社まで行けた

まずは那智の滝である
滝があるのは熊野那智大社 別宮 飛瀧神社
すばらしい滝である

那智の滝



おそらく雨の影響か 滝が大きな音を立てて迫力があった
なるほど 昔の人はこれに神が宿ると考えたのも納得がいく 素晴らしい
社務所御朱印を貰う際に、御朱印帳に目がいった
那智の滝の絵があるすごく良いデザインの御朱印帳である
もうこれは(以下略)
だが買った御朱印帳の1ページ目は買った場所の御朱印にするというポリシーがあったので買うのは我慢した!

次は那智大社である
那智の滝から歩いて行ける範囲だった
「告 入山心得」という看板を見つけた
「残していってええのは足あとだけやで」
「持って帰ってかまんのは土産と思い出だけやで」
の文句が面白く感じた

石段を登っている途中で後ろをみると山が雲に覆われて幻想的な風景だった

那智の雨
神の画いた
山水画
人の筆では
これは画けぬ

山水画のよう

那智大社まで登りきるとそこから遠くに那智の滝が見える
良い風景だ

バス停への途中の道でなかなか良い出来の硯を見つけた
この辺は那智の黒石と呼ばれるきれいな石が取れるらしい
それを使って黒い碁石や硯、置物なんかを作っている
もうこれは(略)
しかし買っても部屋を飾る置物になる未来が見えたのでやめた

さて次は速玉大社へ向かうのだが
残念なことに途中でバスに乗り遅れてしまった
神社の閉まる17時に間に合わないのでこの日は向かうのを断念した

石段を多く登ったからかお腹がすいた
まだ明るかったのでおいしそうな店がないか新宮駅周辺を散策した
速玉大社近くに商店街を見つけた
そこから少し横道にそれたところに「豚珍亭」なる中華料理屋を見つけた
もうお腹がすいた!
よだれ鶏冷麺1,200円
チャーハン750円を注文した
何も考えず脊髄が注文をだした

注文をした後に店を観察してみると壁に「紀州岩清水豚の雲白肉」というおいしそうなご当地メニューを見つけてしまった
注文した後に美味しそうなメニューを見つけるのは外食あるあるのあるである

鶏冷麺が出てきた
茹でて油の落とした鶏肉がさっぱりしていておいしい
細かく刻んだトマトと水菜、白髭のような長ネギが入っていた
きっとパクチーが入っていたらなおのこと美味しいのだろうと思った
食べてみる
パクチーの味がする!
どういうことだと思いよく見てみると水菜に混じって少量のパクチーが入っていた
素晴らしい
この冷麺は当たりである

うまい!

速玉大社を調べてみると有名な神倉神社が近くにあることが分かった
明日は速玉大社のほか神倉神社に行こうと思う

6月15日終わり